名もなき花には3本の柱があるのです

2年ぶりの新曲「名もなき花」c/w「私のままで」には、3本の柱があります。

その1【本人作詞の「名もなき花」】

過去にも、呼子舟唄のカップリング「臥龍梅」や、「恋ひととせ」のカップリング2曲「お酒の歌」「この道」を詩作してまいりましたが、表題曲となるのは初めてです。

2022年春先から始まった制作では、メロ先(メロディが先に決まる事)である事と、ディレクターさんのイメージがしっかりできていたので、好きな事を書けばよいというわけにいかずとても悩みました。今までの曲とは制作過程が違いますので、苦しみながらようやく発売となったわけです。

 

その2【「私のままで」は衝撃を受けた作品】

2019年、新沢としひこさんがライブで1曲目に歌われたこの曲。私は雷に打たれたように身動きが取れなくなり、ただただ涙を流して聞き入っていました。その後のライブは、ずっと夢見心地で幸せで、忘れられないステージでした。歌を聞いて涙が出る事は多々あります。でも雷に打たれるような経験は、2000年代初旬に都はるみさんの「王将一代小春しぐれ」を聞いた時と同じでした。あれからずっと心の中にこの歌が流れ、いつか歌いたいと思い続けて来ました。今回、その夢がかなってカップリングに収録されたのです。

 

その3【「私のままで」は同録】

同録とは、楽器の演奏と歌を同時に収録する手法で、だれか一人でもミスをするとすべて最初からやり直しになる為、滅多に使われない録音方法なのです。今回、ピアニスト古田綾子さんのヘッドアレンジで、ピアノとギターというとてもシンプルな演奏の中同録でレコーディングが行われました。
CDで聞いて頂くと、スタジオの張りつめた空気や緊張感、3人の息遣いが聞こえてくるような音源になっています。ぜひゆっくり聞いてみてください。